佐藤くんは甘くない


「じゃあ、そういう感じで」


取り敢えず真ん中に置かれた机に、瀬尾(抱き枕)と私(瀬尾)、佐藤くんとひまりちゃん(私)の順番で座る。


真正面で、かっこいいキメ台詞を言う抱き枕に一瞬吹きそうになったけれど、何とか押さえた。


佐藤くんの目の前に座った私(瀬尾)が、何やら思いついたようににやりと笑った。


あ、なんか嫌な予感がする。


瀬尾は、わざとらしく肘を机についてきゃるるんな乙女みたいな気持ち悪い態勢をとると、


「じゃあぁ、勉強ぅ、しようかぁあん」


「ブッ殺す」


「ちょっと待てお前、朝比奈そんなこと言わねえよ!」


「もう~、こはるちゃぁんってば……死ねよ」


「ごめん、スイマセン調子に乗ったスイマセン!!」




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