佐藤くんは甘くない
「……」
佐藤くんが、一瞬目を張って、それからいきなりそっぽ向いてしまった。
ちょ、佐藤くんそれ感じ悪っ!
ひまりちゃん鈍感だけどそれはさすがに、傷つくのではないかね!?
「……そ……、い」
「はい?」
佐藤くんが本当に聞こえるか、聞こえないか、くらいの小さな声で何か呟く。
「それ、……やばい」
ぽつっと、つぶやく。
見ると、佐藤くんの白い耳が赤く染まっていく。わーみるみる染まっていくね佐藤くん。
「そんなの言われたら、」
ばっと頬を押さえて、佐藤くんがつぶやく。
「……うれしすぎて、……死ぬ」
あー、あーもう。
佐藤くんが可愛すぎて私の心臓が持たない。
君は何回私を悶え死にさせる気なのだね。