佐藤くんは甘くない
佐藤くんとフクザツ
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「んあ」
目を開けた瞬間、強烈な痛みが走る。
「っつあー!」
痛みに、慌てて起き上がると、そこは瀬尾の部屋で、面白いくらいにいろいろ散らかっていた。
あーっと昨日は、ああ、そうだ。この前のギャルゲーやった後に、人生ゲームで盛り上がって、そのまま、寝ちゃったのか。
見ると、私の肩にかかっていたらしい薄手のカーディガンがはらりと落ちる。この大きめの奴は、多分瀬尾だ。あーそっか、私、床で寝たのか。
「こ、腰っ……!肩が……っ!」
こきこきならしながら、私は立ち上がる。
が、すぐそばから小さな規則正しい寝息が聞こえてきて、私は振り返った。
「……すぅ、」
佐藤くんが、寝ている。
すごい無防備に、普段にはお目にかかれない天使の寝顔で。
「……」
私は近くにあった自分のスマホを片手に、ゆっくりと佐藤くんに近づいた。