佐藤くんは甘くない
「佐藤くん?」
思わぬ人物過ぎて、私は一歩足を後ろに下がる。
「遅いんだよ」
「あ、いや、すいません」
何で今から告白される私が謝ってんだろう。
佐藤くんはいつもながらの不機嫌そうな顔で、もう一度私を睨みつける。
が、その顔すらもう抜群に可愛い。
女の私でも見惚れてしまうくらい、可愛い。
「ええっと、用件は」
「……っ、」
私がそういうと、佐藤くんは一瞬ひるんだように顔を逸らして、それから一歩踏み出した。