佐藤くんは甘くない
「ずっと、目で追ってた」
え?
「俺、こんな気持ちになった事初めてだから、うまく言えないけど……」
ええ?
「考えるだけで、頭パンクしそうで……」
ええええっ?
うるんだ瞳で詰め寄られて、私思いっきりタジタジ。
こんな熱く言われてもっ、わ、私困るっ。
一歩後ろに下がると、必死な顔で私を行かせまいと佐藤くんも一歩前に出た。
その距離がだんだん近くなっていく───あわわわわ、ど、どどどどうしますこの状況っ、耐えられないんですがっ!
「わ、私……っ」
「───すき、なんだ」
どきんと、鼓動が馬鹿みたいに飛び跳ねた。