佐藤くんは甘くない



「さ、と……く、」


おかしい。

手を振り払わなきゃ。聞いちゃいけない。次の言葉を、私は佐藤くんの口から聞いちゃいけない。なのに、熱に浮かされたように私の体は言うことを聞いてくれない。


すうっと、息を吸う音が聞こえて。

思わずぎゅっと、目を瞑る。


そして、佐藤くんが口を開く───





















「───ほんとは、ゼリー、好きだよ」







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