佐藤くんは甘くない
思い出すだけで、鳥肌が立つのか佐藤くんは両手で自分を抱きしめて、口をへの字に曲げる。
「ご、ご愁傷様です」
「……そういう同情はいらないから。マジでほんと最悪。なんか肩たたかれて、振り返ったら俺より少し年上くらいの野郎が3人くらいいてさ」
「……」
「キミ可愛いね、俺達暇だからさ一緒にお祭りとか回らないって腰に手ぇ回されそうになった」
「……」
「殴り殺しそうになった」
「……それは止めておきましょうッス」
「アイツら俺が男だって言うまで全然気づいてなかったしほんと死ねばいいのに。タバスコ鼻の穴に詰め込んでやればよかった」
チッと佐藤くんが舌打ちする。
佐藤くんには悪いけれど、確かに横目で見ても佐藤くんは可愛い。と、言うよりもきれいという言葉が当てはまるんだろうな。
私だって、最初佐藤くんを見たときは女の子だって思ったし。