佐藤くんは甘くない
私のお隣の家。
お察しの通りつまり、瀬尾家である。
私と瀬尾んちは家が隣り合わせで、かつ家の隙間も数センチなので、私は瀬尾に用があるたびこうして窓から侵入しているのだ。
瀬尾の部屋は相変わらず、棚にいちいち順番とかが決まっていて整頓という言葉がガッチガチに当てはまる。
なんだかんだ言いながら、お茶を持ってこうと立ち上がった瀬尾に、
「あ、お茶は3人分ね」
「はあ?3人?俺とお前以外に誰かいんのか?」
「お察しの通り!」
ばっと私が窓を振り返って、指を指す。
「……よ、」
マイペースに慎重にベランダから入ってくる佐藤くん。
「佐藤!?」
「ウス」
佐藤くんが私と同じようにベットに着地すると、そこから降りて片手を上げる。