佐藤くんは甘くない
「え、な……?」
瀬尾が面白いくらいに動揺している。
私と瀬尾の部屋を物珍しく見回している佐藤くんを交互に見て、
「佐藤、お前女が苦手なんじゃ……」
「それより、お茶」
「あっ、ハイ」
佐藤くんが有無を言わさず、命令する。
瀬尾がこくりと頷いて、ドアの前まで歩いたところで、
「───いや、そうじゃなくて!!
ちょ、どうしてこうなったくらいの説明しろよ!」
「考えるな、感じろ」
「んなもんできるか!」
瀬尾がキレッキレのツッコみを入れながら、頭を抱えてわなわな震えはじめた。
ちッ。
しょうがないなぁ。
私は仕方なく、腰に手を当てて、
「瀬尾さぁ、佐藤くんからこの前女の子に大切なことを伝えるにはどうしたらいいか的な相談、受けたでしょ」
「……んあ?あ、ああ。受けたな。それが?」