佐藤くんは甘くない
ひまりちゃんと佐藤くんを見つけたのは、ものの数分前の話。
もうそのうち屋台回ってたら見つかるだろーと思ってた矢先、何やらベンチで怪我の治療を始めるところから一部始終を見てしまったというわけである。
「にしても、佐藤くん成長しましたねぇ」
「あれはぎりぎり落第点だな」
「落ちてるじゃんそれ」
瀬尾も私に続いて立ち上がると、
「んで、どうする?」
そう聞いてくる。
聞き返すまでもなく、このまま二人を追いかけるか、それから間を見て合流するかという話だろう。
頭の中にさっきの二人の光景を浮かべる。もう答えは決まっていた。
「あの調子ならきっと大丈夫じゃないかな」
「俺もそう思う」
「んじゃ、久々に回るかぁー……」
そういった、その時。