佐藤くんは甘くない
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佐藤くんとひまりちゃんと遭遇したのは、花火が終わって観客がぞろぞろと家路に帰ろうとしている大通りから少し外れた河川の道だった。
「……何やってんの」
佐藤くんの開口一番はそれだった。
確かに、瀬尾のおぶられているこの状況に対して疑問を持つのは普通だろうけどさ。
私はじっと見られる視線が逃れるように、顔を逸らしながら言った。
「言いたいことは分かるッスけど、聞かないでください」
「こけたんだよこいつ」
「瀬尾っ、それさっき、言わない約束したじゃん!!さっそくばらさないでよ!!」
「こ、こはるちゃんこけたの?」
「……まあ、いろいろあってこけました」