佐藤くんは甘くない
だんだん、佐藤くんの頬の赤みが引いていく。
それに合わせて、その可愛らしい顔からは似ても似つかない様な氷のような声音で、
「俺のさっきから言ってる意味、分かってる?」
「……え?」
私に告白するために呼び出したんですよね?
あれ?
はてなマークを浮かべる私が、状況を把握できていないことを、佐藤くんは理解したらしい。
そして、物凄いゲス顔で、
「もしかして、俺がアンタに告白したとか勘違いしてるわけ?」
「……え!?」
むしろ違うの!?
「誰がお前なんかに告白するかよ、つけ上がんな」
「じゃあ、佐藤くんはなんで私にひまりちゃんの告白をするんですか」
私がそういうと、さっきまでの強気な表情は何処へとツッコみたくなるくらい、耳まで真っ赤にして、それからぼそぼそと小さく言った。
「───それは、……その、アンタが親友だから……協力してほしくて」
結城こはる、齢17。
人生初めての告白は、親友の告白でした。