夢幻罠
霧の夜の奇妙な出来事
プロローグ
少しずつ顎の骨を削られるような我慢ならない痛み……、
串刺しにされ、焼かれているような、暴れ出したい熱さ……。
首から上だけが焦熱砂漠に放り出されたようだった。
「カァアッ」
吐き出した声はカエルが潰れたような、信じられない音になった。
眼球は内から押され、今にも飛び出しそうだ。
…待て!?
…なんで俺が…
…死ななきゃなんないんだ!
シャツを編んで作ったロープに手を伸ばした。
ロープは首に食い込み、一分の隙もない。
強引に指をこじ入れた。
引っ張る。
しかしロープはびくともしない。
爪先を一杯に伸ばし、足場を捜した。
…触る物はない…
足を振り、前後に描けるだけ大きな弧を描いた。
しかし空中を蹴るばかりだ。
その瞬間、更に首にロープが食い込んだ。
夢中で頭上のロープを手繰った。
助けてくれ~
声を聞けば看守が駆けつけて来てくれるかもしれない。
串刺しにされ、焼かれているような、暴れ出したい熱さ……。
首から上だけが焦熱砂漠に放り出されたようだった。
「カァアッ」
吐き出した声はカエルが潰れたような、信じられない音になった。
眼球は内から押され、今にも飛び出しそうだ。
…待て!?
…なんで俺が…
…死ななきゃなんないんだ!
シャツを編んで作ったロープに手を伸ばした。
ロープは首に食い込み、一分の隙もない。
強引に指をこじ入れた。
引っ張る。
しかしロープはびくともしない。
爪先を一杯に伸ばし、足場を捜した。
…触る物はない…
足を振り、前後に描けるだけ大きな弧を描いた。
しかし空中を蹴るばかりだ。
その瞬間、更に首にロープが食い込んだ。
夢中で頭上のロープを手繰った。
助けてくれ~
声を聞けば看守が駆けつけて来てくれるかもしれない。