夢幻罠
調べがついただけで5人いた。

既に2人は他界していた。

その内の3人は子供を儲けていた。

そしてそれぞれに娘がいた。

20歳前後の同年代ということだった。

俺は全てを悟った。

同じスミレの香りを持った女たちは、腹違いの姉妹の可能性が……。

そして画伯と乳飲み子はDNAによると親子ということだった。

俺の脳裏に、愛撫するたびに母乳を出した“なつみ”という女が浮かんできた。

本人は特異な体質と言ってはいたが、……

…実は、出産を……?

画伯の異常な好色ぶりと考え合わせると、おぞましい推理が成り立つ。

神を恐れぬ行為に及んだのかも……

実の娘を陵辱……


そして乳飲み子は、事故か撲殺で死んでいる。

望まれてない子という事を考えると、……

…邪推がどうしても拭いきれない。

さらに陵辱されていたのは、一人ではないかも……。

そして娘たちの母は冷遇されていたかも……

…などという想像も浮かぶ。

これらの事などが原因で、三人の娘たちは復讐を企て、そして決行した……

…おそらく、毒殺したのだろう……
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