夢幻罠
終 節
…待て!?
…自暴自棄になるな!
…そうだ!?
…なんで俺が、
それも冤罪(えんざい)で……
深夜、俺は独房で自分のシャツを裂いて編んだロープを使って、首吊り自殺を企てていた。
…くっ苦しい。
首に食い込むロープに……
…3本目の指を、強引にこじ入れた。
もう片方の指も1本入った。
引っ張る。
しかしロープはびくともしない。
爪先を一杯に伸ばし、足場を捜した。
…何も当たらない。
腕の力がなくなってきた。
このままじゃ……。
助けてくれ~
声門が圧迫されているようで声にならない。
足を振った。
描けるだけ大きな弧を描いた。
しかし宙を蹴るばかりだ。
…死にたくない!
次の瞬間、
ガクッと、