君と話がしたくて



 駅につく頃にはブーツは濡れて、靴下はぐちゃぐちゃ。ズボンの裾も冷たくなっていた。
 ガチガチと歯を鳴られる程寒い。
 肩は上がり、手は悴んだ。

 駅のホームに着くと、全面タイルのせいか尚寒く感じた。

「うぅ...さぶい...。何か温かい物買おう...。」

 駅の売店に行き、ホットドリンクコーナーから缶珈琲を一本取り出す。
 その缶珈琲に触れただけなのに、温かさに顔が綻んだ。

 そのままレジに並び、128円を130円で払い2円のお釣りをレジの横にある盲導犬の為の募金箱に入れて、売店から出た。



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