Rainbow God Bless
第2話 光の刃
ロアッソ共和国から逃げたゴブリン達を追い、モニカ達一行は国境付近の林へと辿り着いた。
「足跡があるわ…ゴブリン達はこの先みたいね。」
「ならば、早速行くッス!善は急げッス~!」
プチン!ヒュン!
「ぬううおぉっ!?か、か、体が…痺れ、る…ッス…」
「毒矢だ…随分と手の込んだ罠だね…テリー、大丈夫?」
「まったく、しょうがない人やわぁ…解毒薬あるから、ちょっと待っててや」
呆れた表情でアミィがリュックから解毒薬を取り出す。瓶を投げ渡されたテリーは真っ青な薬を一気に流し込んだ。
「うおぉおぉっ!五臓六腑に染み渡るッス!!さあさあ、気を取り直してゴブリン達を懲らしめに行くッス~!!」
「あっ!?ちょっと、テリー!危ないですよ!!」
ガサガサッ!!
「な、なんと!?うおぉわあぁ~ッ!!」
「テリー姉ちゃん…今度はこれかいな…」
「ハハ…落とし穴に…落ちたね…」
「うおぉぉ~っ!助けてほしいッス~!!」
その後もゴブリン達によって仕掛けられたと思われる数々の罠が一行の行く手を阻んだ。奥へ奥へと林を進み獣道を抜けると、大きな洞穴が岩壁に口を開けていた。
「きっとここがゴブリン達の巣窟ですね。気を引き締めて行きましょう!」
「ん…モニカ姉ちゃん、ちょっと待ってぇな。皆、ここまで来るのに疲れたやろ?これ飲んで元気取り戻してからにせえへん?」
「あ…ありがとう。そうしましょうか!(アミィ…すごく気が付く人だな…歳の割にしっかりしている…私も皆をこの剣でキチンと守らなきゃ!)」
小休止の後、洞穴へと足を踏み入れる。武骨な岩肌を一歩一歩踏み締めながら進んでいくと、遠くからゴブリン達の鳴き声が聞こえてきた。鳴き声は次第に大きくなり、その中からゴブリン軍幹部達の話し声も聞こえるようになっていく。
「父ちゃん、やられちゃったよ…チクショウ…」
「ヌハハハハ!そう肩を落とすな、息子よ!人間なんぞこのゴブリンキング様の敵ではないぞ!!ギッタンギッタンにして、繋ぎのパン粉をまぶして、手捏ねにして、鉄板で焼いて、デミグラスソースを掛けて、美味しく食べてやる!ヌワッハッハッハ!!」
ゴブリンキングと名乗る巨大な王冠を被った黄金色のゴブリンが豪快な笑い声を洞穴中に響かせるが、その笑い声に勝るとも劣らぬ大声が突如として轟いた。
「うおぉ~っ!そうはさせないッス~!」
「ぬぬ!?なんだ貴様らは!人間無勢がこのゴブリンキング様に歯向かえるとでも思っているのか!!」
「アンタみたいに図体だけデカい奴には負けないよ!ロアッソの地を汚したこと、後悔させてやるからね!」
「私達は…負けません!みんな、行きましょう!」
「ヌワッハッハ!よかろう!かかって来い!!」
モニカ達はそれぞれゴブリン達に立ち向かっていく。城下町では指示を出すばかりであった幹部達も戦いに加わってきた。アミィはローブに身を包んだゴブリンメイジと対峙している。
「ほいやっ!ヘヘン、負けへんで~♪」
「フフ…我らゴブリン軍を舐めるなよ…!」
ゴブリンメイジが杖を構え詠唱すると、青緑の魔方陣が足元に形成され、杖の先から青緑の光球が無数に宙に浮かび上がった。
「行くぞ!エナジーボム!」
宙に浮かんだ光球はアミィめがけて降り注いだ。凄まじい破裂音を響かせながら爆発している。
「ウソやん…魔法が使えるなんて聞いてないで!」
「ハハハ!まだまだこんなもんじゃないぞ!エナジーボム!エナジーボム!!エナジーボムッ!!!」
杖から無数の光球が放たれる。アミィも避けるのがやっとだ。光球は岩肌にぶつかり、激しい爆発音をあげる。
「フハハ!ハハハハ…って、あっ…」
ズウゥン!!
「…自分、アホやろ」
大きな鈍い音が響いた。メイジは岩の下敷きになってしまっている。岩肌が爆発で崩れ、岩の雪崩がメイジをたちどころに潰してしまった。
「せいっ!うおああっ!」
「フン!負けん!」
テリーは迷彩服を着たゴブリンコマンドと拳を合わせていた。最初はコマンドがテリーを銃で狙っていたが、テリーの飛び蹴りで壊されてしまい、自身も拳で勝負するに至ったのである。
「ほぅ…なかなかやるな!良い拳圧だ」
「伊達に鍛練してないッス!この拳でその身に“正義”というものを叩き込んでやるッス!」
「それは大層なことだな。やれるものならやってみろ!」
あたかもボクシングのリングであるかのような熱い拳のぶつかり合い。しばらくは打ち合いになったが、コマンドに僅かに隙が生まれた。その隙をテリーは見逃さない。
「うおぉ~っ!フルパワー!!気合いと根性と燃える闘魂のアッパ~ッ!!!」
「ぐわああぁぁっ!」
コマンドの体は宙に浮き、岩肌に激しく体を打ち付けた。彼はKO負けしたボクサーのように仰向けに倒れたまま動かなくなった。
「グウゥ…この俺が負けるとは…!」
「お前の拳には情熱が無いッス!それなら1万回やっても、1億回やっても自分が勝つッスよ!大事なのはパッション、情熱ッス!!」
その後も、モニカ達は襲い掛かるゴブリン達を蹴散らしていく。幹部達を倒され、精神的に錯乱したゴブリン達は容易にモニカ達に制圧されていった。
「よし、こっちはあらかた片付いたね!」
「うん、そろそろボスをやっつけに行こうよ!」
「フン、これ以上邪魔はさせんぞ!」
「アンタ達なんかにキング様が倒せるわけないわ!」
モニカ達の前にゴブリンナイトとゴブリンビショップが立ちはだかる。武器を構えたその刹那、後方から黒い球体がナイトとビショップめがけて投げ込まれた。
ヒューン…ド~ン!!
「ぐはぁ…不意討ちとは卑怯な!ゲホッ、ゲホッ…」
「も~う!私のお気に入りの服が汚れちゃったじゃない!どうしてくれるのよ!ゴホッ、ゴホッ…クシュン!」
「エヘヘ~♪どや~、ウチお手製の胡椒爆弾は効いたやろ?」
「コイツらは自分達に任せるッス!モニカ達は親玉を叩くッスよ!」
モニカ、エレン、クレアが奥に進むとプリンスとキングが玉座にどっしりと腰を落としていた。
「ヌエッヘッヘ!身の程をわきまえずにここまで来よったか小娘ども!」
「さあ、年貢の納め時だよ!覚悟しなさい!」
先ずエレンがキングに飛び掛かっていくが、それをプリンスが逃がさない。剣を振るうとメイジと同じように魔方陣が作られた。
「ファイアボール!」
プリンスの剣から赤々と燃える火の球が弾け飛ぶ。エレンは火の球を正面から受けて吹き飛んだ。
「エレン!…あたしだって負けられない!」
クレアがライフルで狙撃しながらプリンスに近付く。プリンスはひっきりなしに放たれる銃弾を避けるばかりだ。するとクレアは不意に岩肌を蹴って懐に飛び込んだ。
ザクッ!
「な、なんだと!?クソッ、僕としたことが…!」
「クレア!そのままそいつを逃がさないでね!」
プリンスは腹部にクレアの銃剣が深く刺さり身動きがとれない。エレンの左手の紋様が鮮やかな赤い光を放ち、足元にも赤い魔方陣が煌めいた。
「ファイアボール!」
エレンの左手からプリンスと同じく赤々と燃える火の球が放たれ、プリンスの体を焦がした。
「あちちちちっ!」
「覚悟!せいやぁっ!」
モニカの剣で一閃。プリンスは膝を付いてゆっくりとその場に倒れ込んだ。
「そんなぁ…魔法を真似するなんてズルいよ…」
「ふんぬ~っ!よくも我が息子を!貴様ら生かしておかんぞ~!!」
息子を倒され、怒り狂ったキングが暴れまわる。巨体に違わぬ怪力を発揮し、そこら中に転がる岩を拾ってはモニカ達目掛けて投げつけた。
「ううっ…こんな怪力食らったらひとたまりもないよ…」
「クレア、大丈夫ですよ。この剣がある限り、私は負けない!!」
モニカは怯むことなく暴れるキングに立ち向かっていく。静かに燃える闘志を秘めたその眼はただ一点を見つめていた。
「えいやっ!」
彼女の振るう剣はキングの足元を薙ぎ払った。キングの巨大な体が音もなく宙に浮かぶ。更にクレアも臆することなく追い討ちとばかりに銃撃を仕掛ける。
「ぬ、ぬうっ!?うおぉっ!」
「行けっ!当たれ~!」
「ぐううっ…ううぬうぅ…!」
「さあ、とどめの一撃!キングを仕留めるよ!」
モニカとエレンの紋様が呼応するように輝いた。エレンの左手から放たれた火の球がモニカの剣を包む。モニカは金色に輝く左手で精一杯に力を込め、刀身がダイヤモンドのように煌めく剣を振るった。
「受けよ、紅く燃ゆる光の刃!サンライトセイバー!!」
「ぎゃあああぁぁぁっ!!」
キングの体は一刀両断され、燃え上がる紅蓮の炎に焼かれて消えていった。一行はロアッソ共和国に戻り、ゴブリン軍の討伐をシノノメ国王に報告した。
「此度の活躍、見事であった。さすがは創造神の祝福を受けし者。天晴れである!」
「有り難きお言葉です。今後も自らの武を人のために振るう覚悟にございます!」
「よろしい。さて、これからの旅、先ずは同じ紋様を持つ者達を探すのだ」
「えっ、私達以外にも紋様を持つ人がいるのですか!?」
「うむ。創造神の祝福は万物の力を司っておるからな。きっと数多くの仲間に出会えることだろう。祝福に託された使命を全うすることを願っておるぞ」
翌日、支度を済ませたモニカ達はロアッソ共和国から旅立つ時を迎えた。
「では、行って参ります!」
「おう!町の復興は俺達に任せとけ!安心して元気に旅をしてくれ!」
「オッケー!おじさんも体に気を付けてよ!行ってきま~す!!」
ロアッソ共和国を襲ったゴブリン達を倒し、モニカ達の冒険の旅が始まった。果たしてどんな出会いが、どんな冒険が彼女達を待っているのだろうか。力強く歩むモニカ達の行く先に待つものとは…?
To Be Continued…
「足跡があるわ…ゴブリン達はこの先みたいね。」
「ならば、早速行くッス!善は急げッス~!」
プチン!ヒュン!
「ぬううおぉっ!?か、か、体が…痺れ、る…ッス…」
「毒矢だ…随分と手の込んだ罠だね…テリー、大丈夫?」
「まったく、しょうがない人やわぁ…解毒薬あるから、ちょっと待っててや」
呆れた表情でアミィがリュックから解毒薬を取り出す。瓶を投げ渡されたテリーは真っ青な薬を一気に流し込んだ。
「うおぉおぉっ!五臓六腑に染み渡るッス!!さあさあ、気を取り直してゴブリン達を懲らしめに行くッス~!!」
「あっ!?ちょっと、テリー!危ないですよ!!」
ガサガサッ!!
「な、なんと!?うおぉわあぁ~ッ!!」
「テリー姉ちゃん…今度はこれかいな…」
「ハハ…落とし穴に…落ちたね…」
「うおぉぉ~っ!助けてほしいッス~!!」
その後もゴブリン達によって仕掛けられたと思われる数々の罠が一行の行く手を阻んだ。奥へ奥へと林を進み獣道を抜けると、大きな洞穴が岩壁に口を開けていた。
「きっとここがゴブリン達の巣窟ですね。気を引き締めて行きましょう!」
「ん…モニカ姉ちゃん、ちょっと待ってぇな。皆、ここまで来るのに疲れたやろ?これ飲んで元気取り戻してからにせえへん?」
「あ…ありがとう。そうしましょうか!(アミィ…すごく気が付く人だな…歳の割にしっかりしている…私も皆をこの剣でキチンと守らなきゃ!)」
小休止の後、洞穴へと足を踏み入れる。武骨な岩肌を一歩一歩踏み締めながら進んでいくと、遠くからゴブリン達の鳴き声が聞こえてきた。鳴き声は次第に大きくなり、その中からゴブリン軍幹部達の話し声も聞こえるようになっていく。
「父ちゃん、やられちゃったよ…チクショウ…」
「ヌハハハハ!そう肩を落とすな、息子よ!人間なんぞこのゴブリンキング様の敵ではないぞ!!ギッタンギッタンにして、繋ぎのパン粉をまぶして、手捏ねにして、鉄板で焼いて、デミグラスソースを掛けて、美味しく食べてやる!ヌワッハッハッハ!!」
ゴブリンキングと名乗る巨大な王冠を被った黄金色のゴブリンが豪快な笑い声を洞穴中に響かせるが、その笑い声に勝るとも劣らぬ大声が突如として轟いた。
「うおぉ~っ!そうはさせないッス~!」
「ぬぬ!?なんだ貴様らは!人間無勢がこのゴブリンキング様に歯向かえるとでも思っているのか!!」
「アンタみたいに図体だけデカい奴には負けないよ!ロアッソの地を汚したこと、後悔させてやるからね!」
「私達は…負けません!みんな、行きましょう!」
「ヌワッハッハ!よかろう!かかって来い!!」
モニカ達はそれぞれゴブリン達に立ち向かっていく。城下町では指示を出すばかりであった幹部達も戦いに加わってきた。アミィはローブに身を包んだゴブリンメイジと対峙している。
「ほいやっ!ヘヘン、負けへんで~♪」
「フフ…我らゴブリン軍を舐めるなよ…!」
ゴブリンメイジが杖を構え詠唱すると、青緑の魔方陣が足元に形成され、杖の先から青緑の光球が無数に宙に浮かび上がった。
「行くぞ!エナジーボム!」
宙に浮かんだ光球はアミィめがけて降り注いだ。凄まじい破裂音を響かせながら爆発している。
「ウソやん…魔法が使えるなんて聞いてないで!」
「ハハハ!まだまだこんなもんじゃないぞ!エナジーボム!エナジーボム!!エナジーボムッ!!!」
杖から無数の光球が放たれる。アミィも避けるのがやっとだ。光球は岩肌にぶつかり、激しい爆発音をあげる。
「フハハ!ハハハハ…って、あっ…」
ズウゥン!!
「…自分、アホやろ」
大きな鈍い音が響いた。メイジは岩の下敷きになってしまっている。岩肌が爆発で崩れ、岩の雪崩がメイジをたちどころに潰してしまった。
「せいっ!うおああっ!」
「フン!負けん!」
テリーは迷彩服を着たゴブリンコマンドと拳を合わせていた。最初はコマンドがテリーを銃で狙っていたが、テリーの飛び蹴りで壊されてしまい、自身も拳で勝負するに至ったのである。
「ほぅ…なかなかやるな!良い拳圧だ」
「伊達に鍛練してないッス!この拳でその身に“正義”というものを叩き込んでやるッス!」
「それは大層なことだな。やれるものならやってみろ!」
あたかもボクシングのリングであるかのような熱い拳のぶつかり合い。しばらくは打ち合いになったが、コマンドに僅かに隙が生まれた。その隙をテリーは見逃さない。
「うおぉ~っ!フルパワー!!気合いと根性と燃える闘魂のアッパ~ッ!!!」
「ぐわああぁぁっ!」
コマンドの体は宙に浮き、岩肌に激しく体を打ち付けた。彼はKO負けしたボクサーのように仰向けに倒れたまま動かなくなった。
「グウゥ…この俺が負けるとは…!」
「お前の拳には情熱が無いッス!それなら1万回やっても、1億回やっても自分が勝つッスよ!大事なのはパッション、情熱ッス!!」
その後も、モニカ達は襲い掛かるゴブリン達を蹴散らしていく。幹部達を倒され、精神的に錯乱したゴブリン達は容易にモニカ達に制圧されていった。
「よし、こっちはあらかた片付いたね!」
「うん、そろそろボスをやっつけに行こうよ!」
「フン、これ以上邪魔はさせんぞ!」
「アンタ達なんかにキング様が倒せるわけないわ!」
モニカ達の前にゴブリンナイトとゴブリンビショップが立ちはだかる。武器を構えたその刹那、後方から黒い球体がナイトとビショップめがけて投げ込まれた。
ヒューン…ド~ン!!
「ぐはぁ…不意討ちとは卑怯な!ゲホッ、ゲホッ…」
「も~う!私のお気に入りの服が汚れちゃったじゃない!どうしてくれるのよ!ゴホッ、ゴホッ…クシュン!」
「エヘヘ~♪どや~、ウチお手製の胡椒爆弾は効いたやろ?」
「コイツらは自分達に任せるッス!モニカ達は親玉を叩くッスよ!」
モニカ、エレン、クレアが奥に進むとプリンスとキングが玉座にどっしりと腰を落としていた。
「ヌエッヘッヘ!身の程をわきまえずにここまで来よったか小娘ども!」
「さあ、年貢の納め時だよ!覚悟しなさい!」
先ずエレンがキングに飛び掛かっていくが、それをプリンスが逃がさない。剣を振るうとメイジと同じように魔方陣が作られた。
「ファイアボール!」
プリンスの剣から赤々と燃える火の球が弾け飛ぶ。エレンは火の球を正面から受けて吹き飛んだ。
「エレン!…あたしだって負けられない!」
クレアがライフルで狙撃しながらプリンスに近付く。プリンスはひっきりなしに放たれる銃弾を避けるばかりだ。するとクレアは不意に岩肌を蹴って懐に飛び込んだ。
ザクッ!
「な、なんだと!?クソッ、僕としたことが…!」
「クレア!そのままそいつを逃がさないでね!」
プリンスは腹部にクレアの銃剣が深く刺さり身動きがとれない。エレンの左手の紋様が鮮やかな赤い光を放ち、足元にも赤い魔方陣が煌めいた。
「ファイアボール!」
エレンの左手からプリンスと同じく赤々と燃える火の球が放たれ、プリンスの体を焦がした。
「あちちちちっ!」
「覚悟!せいやぁっ!」
モニカの剣で一閃。プリンスは膝を付いてゆっくりとその場に倒れ込んだ。
「そんなぁ…魔法を真似するなんてズルいよ…」
「ふんぬ~っ!よくも我が息子を!貴様ら生かしておかんぞ~!!」
息子を倒され、怒り狂ったキングが暴れまわる。巨体に違わぬ怪力を発揮し、そこら中に転がる岩を拾ってはモニカ達目掛けて投げつけた。
「ううっ…こんな怪力食らったらひとたまりもないよ…」
「クレア、大丈夫ですよ。この剣がある限り、私は負けない!!」
モニカは怯むことなく暴れるキングに立ち向かっていく。静かに燃える闘志を秘めたその眼はただ一点を見つめていた。
「えいやっ!」
彼女の振るう剣はキングの足元を薙ぎ払った。キングの巨大な体が音もなく宙に浮かぶ。更にクレアも臆することなく追い討ちとばかりに銃撃を仕掛ける。
「ぬ、ぬうっ!?うおぉっ!」
「行けっ!当たれ~!」
「ぐううっ…ううぬうぅ…!」
「さあ、とどめの一撃!キングを仕留めるよ!」
モニカとエレンの紋様が呼応するように輝いた。エレンの左手から放たれた火の球がモニカの剣を包む。モニカは金色に輝く左手で精一杯に力を込め、刀身がダイヤモンドのように煌めく剣を振るった。
「受けよ、紅く燃ゆる光の刃!サンライトセイバー!!」
「ぎゃあああぁぁぁっ!!」
キングの体は一刀両断され、燃え上がる紅蓮の炎に焼かれて消えていった。一行はロアッソ共和国に戻り、ゴブリン軍の討伐をシノノメ国王に報告した。
「此度の活躍、見事であった。さすがは創造神の祝福を受けし者。天晴れである!」
「有り難きお言葉です。今後も自らの武を人のために振るう覚悟にございます!」
「よろしい。さて、これからの旅、先ずは同じ紋様を持つ者達を探すのだ」
「えっ、私達以外にも紋様を持つ人がいるのですか!?」
「うむ。創造神の祝福は万物の力を司っておるからな。きっと数多くの仲間に出会えることだろう。祝福に託された使命を全うすることを願っておるぞ」
翌日、支度を済ませたモニカ達はロアッソ共和国から旅立つ時を迎えた。
「では、行って参ります!」
「おう!町の復興は俺達に任せとけ!安心して元気に旅をしてくれ!」
「オッケー!おじさんも体に気を付けてよ!行ってきま~す!!」
ロアッソ共和国を襲ったゴブリン達を倒し、モニカ達の冒険の旅が始まった。果たしてどんな出会いが、どんな冒険が彼女達を待っているのだろうか。力強く歩むモニカ達の行く先に待つものとは…?
To Be Continued…