Rainbow God Bless
第3話 ふたりは仲良し
ゴブリン達の脅威を退け、ロアッソ共和国から旅に出たモニカ達一行。果たしてどんな冒険が彼女達を待ち受けているのだろうか?祝福の証に導かれ、新たなる一歩が今、刻まれる!
「なあなあ、旅に出たはええけど…これからどこに行くんよ?」
「えっ?う~ん…マルーン国はゴブリン達が鉄道壊しちゃったから行けないし…アマラント国はどうかな?ここから近いし、大きな港があるから仲間探しにはもってこいだよ!」
「決まりだね!アマラント国に行くならケルメス山道を通ることになるけど、山ならあたしに任せて!」
一行はクレアの先導でケルメス山道を歩く。鼻歌を歌いながら山道を進むクレアの姿はとても楽しげだ。
「♪~♪~♪♪~」
「ほわぁ…クレア姉ちゃん、楽しそうやなぁ~」
「フフッ、山がすごく好きなんですね。最初はちょっと不安そうにしてたのに、とてもいい顔してる…」
「おっ、こんなところに旨そうな真っ赤なキノコがあるッス!今日の晩のおかずにするッス~!」
「あっ!それダメ!!それはオニグレンダケっていう猛毒のキノコだよ。人間が食べると頭痛を伴う目眩や幻覚症状を引き起こして高確率で後遺症が残るし、最悪の場合死に至る危険性もあるんだから!」
「ゲッ!?それは大変ッス!クレアのお陰で命拾いしたッス…」
「そりゃまた恐ろしい代物ね…なんだってそんなものが自生してるの?」
「わからない。ただ、オニグレンダケは魔物達が餌にしてるってパパが言ってた。実はあたしも実物を見るのは初めてなの。山の自然にも魔物達の影響が表れてるのかもしれない…」
「自然界にまで影響が出るなんて…早く紋様を持つ仲間を探しにアマラント国へ向かいましょう!」
モニカ達が歩き出そうとしたそのとき、大きな灰色の鳥が凄まじい勢いで突進してきた。猛禽の類と思われる大きな体をしており、翼には赤、黄緑、紫の羽で目玉のような不気味な模様が浮かび上がっている。
「クワアァッ!ガガアッ!」
「うわあっ!あんな大きな鳥、見たこと無いよ…」
「恐らく魔物でしょう。きっとオニグレンダケを盗りに来たと思って、私達を敵と見なしたようですね。いきますよ!」
モニカが剣を振るうも、相手が飛んでいるため捉えられない。魔物は鋭い嘴、尖った足の爪、禍々しい模様の翼でモニカ達を討ち据えてきた。
「くぅ~っ!飛ばれちゃ拳が当たらないッス!ハァ、ハァ…」
「銃も当たらない…うわっ、またこっちに来た!」
「ファイアボール!…ハァ、ハァ…すばしっこ過ぎるよ…どうしたら──」
「エレキテルショット!」
手詰まりになりかけたモニカ達の後方から黄色く火花を散らす電気の塊が放たれた。その塊は魔物の体を捉え、バチバチと音を立てて弾けた。
「ガガアァアァッ!」
魔物は断末魔の悲鳴をあげると、力無く地に落ちて消えていった。モニカ達が後方に視線を移すと、通りがかった2人組がモニカ達に向かって駆けてきた。
「おい、大丈夫?けっこう派手にやられたなぁ…」
「ありがとうございます。助けていただけなかったら、今頃どうなっていたか…」
「礼はいいよ。アタシはトリッシュ·ランパード。で、こっちが姉貴のカタリナ。アタシら双子の姉妹なんだ」
「カタリナ·ランパードです。よろしくお願いしますね♪」
トリッシュはレモンイエローの髪をソフトモヒカンにしており、パンク風のファッションに身を包んでいるのに対し、カタリナは黒縁の眼鏡に濃紺のパンツスーツ、濃紺の髪を真っ直ぐに伸ばしている。およそ対称的なその容貌は双子の姉妹と言われなければまず気付かないだろう。
「そうだ!姉貴、アレ使ってやれよ!この人達みんな魔物にやられてボロボロになってるし…」
「うん、わかったわ。私も力を貸します!」
カタリナは手を胸の前で組み、祈るような姿勢をとる。柔らかなピンク色の光が彼女を包み、その力を解き放った。
「ファーストエイド!」
ピンク色の光に包まれたモニカの傷が瞬く間に塞がっていく。カタリナは癒しの力を備えていたのだ。
「わあ~!治癒術が使えるんだ!すごいすごい!」
「ほえ~っ、傷薬要らずや!助かるわぁ~♪」
「ありがとうございます。治癒術って不思議な優しさがあるんですね…」
「エヘヘ♪1回で1人ずつしか治せないけど、これでみんな治してあげるね!」
カタリナの治癒術で戦いの傷が癒えたモニカ達は2人を一行に加え、7人となって山道を歩いたが、途中で日が傾き始めたため、道中の山小屋に一泊することになった。カタリナが台所に立って夕飯を作っている。
「ふう…今日は疲れたね。ここでゆっくり休んでいこう!」
「それにしても…あの技、魔法ですよね?いったいどうして…?」
「ああ、アタシと姉貴には小さい頃から左手に変な印があってね。ほら、これ」
その左手には黄色く光る紋様が印されていた。紛れもなく祝福の証である。モニカはトリッシュに紋様の意味、それに託された使命のことを話した。
「マジか…あんな魔法使えるくらいだから普通じゃないとは思ってたけど…まあ、平和のためになるなら悪い気はしないな!オッケー!アタシらもモニカ達の旅にジャムるとするよ!」
「は…?ジャムる…ってなんやねん?」
「あ~…つまり、喜んで同行するってこと!まだビートが揃ってないなぁ…」
「よくわからないけど…トリッシュ、カタリナ、よろしくお願いしますね」
「ねえ、トリッシュ。カタリナって、普段からよく料理してるの?」
「ああ、姉貴の料理は超ウマいから楽しみに待ってて!」
「それは楽しみッス!うおおぉぉ~っ、旨そうな匂いがしてきたッス!腹が減ったッス~!!」
食欲をそそる薫りが鼻をくすぐり始めた頃、暇を持て余したトリッシュがおもむろに立ち上がる。台所に向かったと思われたその瞬間、フライパンを振るカタリナに背後から飛び付いた。
「あ~ね~きっ!」
「キャッ!もうっ、危ないでしょ?離れなさい!」
「ヘヘッ♪メシまだ?」
「このままじゃ料理出来ないよ?早く食べたいなら離れてね?」
「だって…姉貴構ってくれないんだもん…ブツブツ…」
「フフッ…もう、甘えんぼさんなんだから♪ちょっとだけだよ?」
カタリナはピンク色のエプロンを脱ぎ、トリッシュに寄り添う。凛々しく男性的な雰囲気に反しナイーブで甘えん坊なトリッシュと理知的な佇まいに女性的な柔らかな優しさを内包するカタリナ。2人が寄り添い合う姿は姉妹と知らなければ恋人同士とも思えるほどだ。
「姉貴…姉貴…大好き…」
「もう、トリッシュったら…ほら、みんな見てるよ?ウフフッ…♪」
「お二人さん!仲良しなのはいいけどさ…そんなに堂々とイチャつかれると目のやり場に困るんだけど…」
「ホンマやて。見てるこっちが恥ずかしなるわぁ…」
「2人は仲良しなんだね…あたし、一人っ子だから憧れちゃうな!」
「おおぉ~っ!仲睦まじきは美しきことッス!愛情のパッションッス!!ぬううおおぉぉをを~っ!!!」
「ちょ、ちょっと…テリー!?鼻血出てますよ!」
その夜、眠っていたモニカは外からの物音で目を覚ます。外へ出るとトリッシュが夜な夜な槍を振るっていた。
「精が出ますね。夜稽古ですか?」
「…!!なんだ、モニカか…ビックリした!」
「稽古なら幾らでも付き合いますよ。私も自らの武を高めなければなりませんからね。」
「なぁ…モニカって誰か守りたい人っている?何か譲れないものってある?」
「えっ?」
「アタシは…誰より姉貴を守りたい。姉貴を守るためにこの力を使いたいんだ。自分の一番大切な人も守れずに世界を救うなんて大それたことじゃん?そういう存在がきっと頑張るパワーにもなると思うし」
「…私は…(たしかに、自らの武を極めるだけでは自己満足でしかない。守るべき人…譲れないもの…武を極める意味…)」
「まあ、今すぐ答えなくてもいいよ。この旅の中でそれを見つけるのも悪くないんじゃない?焦らなくても遅かれ早かれ見つかるって!」
「…そうですね。では、その一歩として、手合わせ願えますか?」
「オッケー!ガンガンいこうじゃん!カモン!」
一心不乱に武器を振るうモニカとトリッシュの稽古の音でカタリナとエレンも目を覚ましていた。小屋の中から2人の稽古を見つめている。
「まったく…元気だね、あの2人は」
「フフッ…トリッシュ、すごく楽しそう…」
「アンタ達2人って本当に仲良しだよね…見てるこっちが恥ずかしくなるくらいに」
「うん…あの娘、昔から甘えんぼで…幼稚園のときなんて私が視界からいなくなるだけで泣いてたのよ」
「そう…パッと見はもっとドライだと思ってたけどね。ちょっと驚きだよ」
「そうね。見た目はカッコ良くキメてるけど、本当はすごくシャイで繊細なの。でも、16歳の今になってもいっつも“姉貴はアタシが守るからな!”って…」
「たしかに…あのベタベタっぷりは半端じゃないね。今日会ったばかりなのに、溺愛ってレベルじゃないな…って思ったもん」
「うん…でも、私もトリッシュのためにこの力を使えたらいいな。不器用だけど、純粋に真っ直ぐに私のことをリードしてくれる大切な人だから…」
「はいはい、ごちそうさま」
一夜明け、山小屋を出ると、清々しい晴天であった。モニカ達は眼前に迫るアマラント国へ向けて歩き出す。
「アマラント国はケルメス山道を抜ければすぐだよ!さあ、元気出して行こう!」
「よ~し、どんな仲間とセッション出来るか楽しみになってきた!もちろん、モニカ達ともバリバリセッションしていくから夜露死苦!」
「だ~か~ら!ウチらにわかるように言うてぇな!」
「フフッ…改めて、姉妹揃ってお世話になります♪さあ、出発しましょ!」
仲良し姉妹、トリッシュとカタリナを加えた一行。ケルメス山道を抜ければアマラント国はすぐそこだ。果たしてどんな出会いが待っているのだろうか。進め、祝福の戦士達よ!
To Be Continued…
「なあなあ、旅に出たはええけど…これからどこに行くんよ?」
「えっ?う~ん…マルーン国はゴブリン達が鉄道壊しちゃったから行けないし…アマラント国はどうかな?ここから近いし、大きな港があるから仲間探しにはもってこいだよ!」
「決まりだね!アマラント国に行くならケルメス山道を通ることになるけど、山ならあたしに任せて!」
一行はクレアの先導でケルメス山道を歩く。鼻歌を歌いながら山道を進むクレアの姿はとても楽しげだ。
「♪~♪~♪♪~」
「ほわぁ…クレア姉ちゃん、楽しそうやなぁ~」
「フフッ、山がすごく好きなんですね。最初はちょっと不安そうにしてたのに、とてもいい顔してる…」
「おっ、こんなところに旨そうな真っ赤なキノコがあるッス!今日の晩のおかずにするッス~!」
「あっ!それダメ!!それはオニグレンダケっていう猛毒のキノコだよ。人間が食べると頭痛を伴う目眩や幻覚症状を引き起こして高確率で後遺症が残るし、最悪の場合死に至る危険性もあるんだから!」
「ゲッ!?それは大変ッス!クレアのお陰で命拾いしたッス…」
「そりゃまた恐ろしい代物ね…なんだってそんなものが自生してるの?」
「わからない。ただ、オニグレンダケは魔物達が餌にしてるってパパが言ってた。実はあたしも実物を見るのは初めてなの。山の自然にも魔物達の影響が表れてるのかもしれない…」
「自然界にまで影響が出るなんて…早く紋様を持つ仲間を探しにアマラント国へ向かいましょう!」
モニカ達が歩き出そうとしたそのとき、大きな灰色の鳥が凄まじい勢いで突進してきた。猛禽の類と思われる大きな体をしており、翼には赤、黄緑、紫の羽で目玉のような不気味な模様が浮かび上がっている。
「クワアァッ!ガガアッ!」
「うわあっ!あんな大きな鳥、見たこと無いよ…」
「恐らく魔物でしょう。きっとオニグレンダケを盗りに来たと思って、私達を敵と見なしたようですね。いきますよ!」
モニカが剣を振るうも、相手が飛んでいるため捉えられない。魔物は鋭い嘴、尖った足の爪、禍々しい模様の翼でモニカ達を討ち据えてきた。
「くぅ~っ!飛ばれちゃ拳が当たらないッス!ハァ、ハァ…」
「銃も当たらない…うわっ、またこっちに来た!」
「ファイアボール!…ハァ、ハァ…すばしっこ過ぎるよ…どうしたら──」
「エレキテルショット!」
手詰まりになりかけたモニカ達の後方から黄色く火花を散らす電気の塊が放たれた。その塊は魔物の体を捉え、バチバチと音を立てて弾けた。
「ガガアァアァッ!」
魔物は断末魔の悲鳴をあげると、力無く地に落ちて消えていった。モニカ達が後方に視線を移すと、通りがかった2人組がモニカ達に向かって駆けてきた。
「おい、大丈夫?けっこう派手にやられたなぁ…」
「ありがとうございます。助けていただけなかったら、今頃どうなっていたか…」
「礼はいいよ。アタシはトリッシュ·ランパード。で、こっちが姉貴のカタリナ。アタシら双子の姉妹なんだ」
「カタリナ·ランパードです。よろしくお願いしますね♪」
トリッシュはレモンイエローの髪をソフトモヒカンにしており、パンク風のファッションに身を包んでいるのに対し、カタリナは黒縁の眼鏡に濃紺のパンツスーツ、濃紺の髪を真っ直ぐに伸ばしている。およそ対称的なその容貌は双子の姉妹と言われなければまず気付かないだろう。
「そうだ!姉貴、アレ使ってやれよ!この人達みんな魔物にやられてボロボロになってるし…」
「うん、わかったわ。私も力を貸します!」
カタリナは手を胸の前で組み、祈るような姿勢をとる。柔らかなピンク色の光が彼女を包み、その力を解き放った。
「ファーストエイド!」
ピンク色の光に包まれたモニカの傷が瞬く間に塞がっていく。カタリナは癒しの力を備えていたのだ。
「わあ~!治癒術が使えるんだ!すごいすごい!」
「ほえ~っ、傷薬要らずや!助かるわぁ~♪」
「ありがとうございます。治癒術って不思議な優しさがあるんですね…」
「エヘヘ♪1回で1人ずつしか治せないけど、これでみんな治してあげるね!」
カタリナの治癒術で戦いの傷が癒えたモニカ達は2人を一行に加え、7人となって山道を歩いたが、途中で日が傾き始めたため、道中の山小屋に一泊することになった。カタリナが台所に立って夕飯を作っている。
「ふう…今日は疲れたね。ここでゆっくり休んでいこう!」
「それにしても…あの技、魔法ですよね?いったいどうして…?」
「ああ、アタシと姉貴には小さい頃から左手に変な印があってね。ほら、これ」
その左手には黄色く光る紋様が印されていた。紛れもなく祝福の証である。モニカはトリッシュに紋様の意味、それに託された使命のことを話した。
「マジか…あんな魔法使えるくらいだから普通じゃないとは思ってたけど…まあ、平和のためになるなら悪い気はしないな!オッケー!アタシらもモニカ達の旅にジャムるとするよ!」
「は…?ジャムる…ってなんやねん?」
「あ~…つまり、喜んで同行するってこと!まだビートが揃ってないなぁ…」
「よくわからないけど…トリッシュ、カタリナ、よろしくお願いしますね」
「ねえ、トリッシュ。カタリナって、普段からよく料理してるの?」
「ああ、姉貴の料理は超ウマいから楽しみに待ってて!」
「それは楽しみッス!うおおぉぉ~っ、旨そうな匂いがしてきたッス!腹が減ったッス~!!」
食欲をそそる薫りが鼻をくすぐり始めた頃、暇を持て余したトリッシュがおもむろに立ち上がる。台所に向かったと思われたその瞬間、フライパンを振るカタリナに背後から飛び付いた。
「あ~ね~きっ!」
「キャッ!もうっ、危ないでしょ?離れなさい!」
「ヘヘッ♪メシまだ?」
「このままじゃ料理出来ないよ?早く食べたいなら離れてね?」
「だって…姉貴構ってくれないんだもん…ブツブツ…」
「フフッ…もう、甘えんぼさんなんだから♪ちょっとだけだよ?」
カタリナはピンク色のエプロンを脱ぎ、トリッシュに寄り添う。凛々しく男性的な雰囲気に反しナイーブで甘えん坊なトリッシュと理知的な佇まいに女性的な柔らかな優しさを内包するカタリナ。2人が寄り添い合う姿は姉妹と知らなければ恋人同士とも思えるほどだ。
「姉貴…姉貴…大好き…」
「もう、トリッシュったら…ほら、みんな見てるよ?ウフフッ…♪」
「お二人さん!仲良しなのはいいけどさ…そんなに堂々とイチャつかれると目のやり場に困るんだけど…」
「ホンマやて。見てるこっちが恥ずかしなるわぁ…」
「2人は仲良しなんだね…あたし、一人っ子だから憧れちゃうな!」
「おおぉ~っ!仲睦まじきは美しきことッス!愛情のパッションッス!!ぬううおおぉぉをを~っ!!!」
「ちょ、ちょっと…テリー!?鼻血出てますよ!」
その夜、眠っていたモニカは外からの物音で目を覚ます。外へ出るとトリッシュが夜な夜な槍を振るっていた。
「精が出ますね。夜稽古ですか?」
「…!!なんだ、モニカか…ビックリした!」
「稽古なら幾らでも付き合いますよ。私も自らの武を高めなければなりませんからね。」
「なぁ…モニカって誰か守りたい人っている?何か譲れないものってある?」
「えっ?」
「アタシは…誰より姉貴を守りたい。姉貴を守るためにこの力を使いたいんだ。自分の一番大切な人も守れずに世界を救うなんて大それたことじゃん?そういう存在がきっと頑張るパワーにもなると思うし」
「…私は…(たしかに、自らの武を極めるだけでは自己満足でしかない。守るべき人…譲れないもの…武を極める意味…)」
「まあ、今すぐ答えなくてもいいよ。この旅の中でそれを見つけるのも悪くないんじゃない?焦らなくても遅かれ早かれ見つかるって!」
「…そうですね。では、その一歩として、手合わせ願えますか?」
「オッケー!ガンガンいこうじゃん!カモン!」
一心不乱に武器を振るうモニカとトリッシュの稽古の音でカタリナとエレンも目を覚ましていた。小屋の中から2人の稽古を見つめている。
「まったく…元気だね、あの2人は」
「フフッ…トリッシュ、すごく楽しそう…」
「アンタ達2人って本当に仲良しだよね…見てるこっちが恥ずかしくなるくらいに」
「うん…あの娘、昔から甘えんぼで…幼稚園のときなんて私が視界からいなくなるだけで泣いてたのよ」
「そう…パッと見はもっとドライだと思ってたけどね。ちょっと驚きだよ」
「そうね。見た目はカッコ良くキメてるけど、本当はすごくシャイで繊細なの。でも、16歳の今になってもいっつも“姉貴はアタシが守るからな!”って…」
「たしかに…あのベタベタっぷりは半端じゃないね。今日会ったばかりなのに、溺愛ってレベルじゃないな…って思ったもん」
「うん…でも、私もトリッシュのためにこの力を使えたらいいな。不器用だけど、純粋に真っ直ぐに私のことをリードしてくれる大切な人だから…」
「はいはい、ごちそうさま」
一夜明け、山小屋を出ると、清々しい晴天であった。モニカ達は眼前に迫るアマラント国へ向けて歩き出す。
「アマラント国はケルメス山道を抜ければすぐだよ!さあ、元気出して行こう!」
「よ~し、どんな仲間とセッション出来るか楽しみになってきた!もちろん、モニカ達ともバリバリセッションしていくから夜露死苦!」
「だ~か~ら!ウチらにわかるように言うてぇな!」
「フフッ…改めて、姉妹揃ってお世話になります♪さあ、出発しましょ!」
仲良し姉妹、トリッシュとカタリナを加えた一行。ケルメス山道を抜ければアマラント国はすぐそこだ。果たしてどんな出会いが待っているのだろうか。進め、祝福の戦士達よ!
To Be Continued…