ずっと待ってる。

五歳だった息子を抱っこする私を、戦に行く直前、貴方は息子ごと抱き締めた。

「必ず帰ってくるから、家を、この子を、宜しく頼む。」

「はい。会津の女として、恥ずかしくないように生きます。だから、旦那様も必ず、お帰りになってください。」

「あぁ。勿論だ。愛してる。」

貴方は振り返ることなく戦場へと向かった。

しかし会津は押されていた。

女子供は城に籠もることになった。

貴方は、ご無事でしょうか。

いつでも、貴方の事を思っていました。
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