【短】あの人と私~赤ずきんの恋~
「やっ‥高橋ク…」



声を出した瞬間、あの人の舌が私の中へ入ってきた。



強引なのに、なぜか優しく感じさせるあの人の舌…。




私は拒みながらも、あの人の唇に心を溶かされそうになる。




だめだよ…


拒みたくないあの人の唇を、何度も避けようとした。


それでもあの人は、キスを止めない。



私はあの人の吐息に魔法をかけられたみたいに、

だんだん気持ち良くなっていく…




私の心が、あの人に溶けきりそうになったとき、


私はあの人の視線に気づいた。






私を見つめる


冷たくて甘い瞳‥





私はハッとして、あの人を突き放し頬を叩いた。



そして、私の好きなあの人の瞳を睨みつけた。


瞳に映っている自分を責めるように‥。



あの人の瞳の中の最低な私。



教師なのに、

あなたに恋をしてしまった最低な私。







私はあの人から、


自分から逃げるように




図書室を出た。
















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