【短】あの人と私~赤ずきんの恋~
その日の夜、大学時代の友達から久しぶりに連絡があり、

私は懐かしい友人たちに会いに行くことにした。



明日香は夜勤で家にいなかったし、

一人でいるとあの人を想ってしまうから…。





「久しぶり~!由紀、元気だった!?」


「うん。みんなも元気そうだね」


懐かしい三人の友人の顔に笑顔を向けた。


三人とも大学時代より綺麗になってて驚いた。



「ここに座って♪」


指定された席の隣の席には、飲みかけのビールジョッキが置いてあった。


「他にも誰かいるの?」


「うん、実はね…」



名前を聞く前に、その人物が私の目の前に現れた。




「梅原君‥」


私は驚いて、その後何も言えなかった。



どうして梅原君がここにいるの‥?



「ここに来る途中に偶然梅原に会ったのよ~。
驚いたでしょ~」



私は目を大きくしたまま頷いた。






梅原君とは大学を卒業してから付き合い始めた。


けど、その恋はすぐに終わってしまった。


梅原君は私と付き合う前から、別に彼女がいた。


私はそのことを、体の関係をもってから知ったんだ…。



そのことを、今いる三人は知らない。


だから嬉しそうに、梅原君を私に会わせてくれたんだ。







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