【短】あの人と私~赤ずきんの恋~
医学の本はどこにあるんだろう…


ゆっくりと図書室の中を歩いた。




あっ、あった!!



本棚の一番上に心理学の本を見つけた。




あんな高い所届くかな…


背伸びをして腕を伸ばすと、指先が本に触れた。



あと少し、あと少しなのに…


意地悪をするように、指が触れるたび本が奥へと入っていく。



諦めようとした時、私の指の隣に大きな手が現れ
軽々とその本を取っていった。




後ろを振り返った私は、息が止まった。










あの人がいる…。




背が高くて、綺麗な黒髪の‥


冷たい瞳をしたあの人が、目の前に立っていた。










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