コノ想い届ケ
第一章



「此処が新撰組屯所……」


一人門を見上げている人がいた。
頬を叩き、気合いを入れて中に入った。


「おい!勝手に入るな!」


が、すぐに出された。
それもそうだ。

何処の馬の骨かも分からない奴を入れられる筈がない。


「入隊希望ですってば!」


男にしては高い声をしていた。
門番たちは顔を見合わせ、一人が中に入っていった。

その人の格好には少し疑問を覚えるところがあった。

普通の武士は大小二本の刀を左に差している。
だが、この男の場合は大きい刀を二本腰に差していた。


「君が入隊希望ですかー?」


現れたのは髪が腰ほどまである青年だった。
ニコニコと笑っている。

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