コノ想い届ケ
「じゃあ、私とやりましょうか。じゃあ、そこの人。」
悠が指名したのは和田だった。
そこまでがっしりとした体型ではなく、どちらかと言えば細い方だ。
「お願いします!」
そんなこんなで五人の相手をした。
一言で言ってしまえば、弱い。
土方が言っていたとは言え、これでよく新撰組に入れたものだと悠は思った。
でも、どれも筋は悪くなかった。
何かが足りなくて生かされていないだけだった。
「どう?」
「弱い。弱いですね。」
悠ははっきりと言った。
あまりにもはっきり言われた五人は少し落ち込んだ。
分かっていたことだがはっきり言われれば傷付くだろう。
「でも、何とかしてみせます。」
悠が笑うと五人も笑った。