コノ想い届ケ
「どうかしましたか?」
「い、いえ!何でもないんです。それよりご飯食べに行きましょ。土方さんが怒りますよ。」
最後に言った一言でそれまで床に這いつくばっていた五人がすぐに道場から出ていった。
悠と沖田は顔を見合わせて笑った。
「すみません、遅くなりました。」
悠が席に着くと近藤の声で食べ始めた。
悠は静かに食べていた。
「あー!!それ僕のだし!」
「早く食べねぇ方が悪いんだよ!」
原田は藤堂のご飯からおかずを取って口に入れてしまった。
結構、毎度のことだ。
「うるせぇ!!黙って食え!」
そして、土方の怒号が飛んで静かになるのも毎回だ。
何とも賑やかな食事の時間だ。
「悠、食い終わったら俺の部屋に来い。」
そう言って出ていってしまった。
悠は気にせずゆっくりご飯を食べていた。
「ごちそう様でした。隼人、稽古やってて。サボったら……分かるよね?」
悠はにっこり笑って部屋から出ていった。
零番組の隊士だけでなく他の隊士たちもゾッとした。
「お、おい……。お前ら大丈夫か?」
それを見かねた原田が声をかけた。
幹部である人が普通の隊士に話しかけることは滅多にない。
それも違う組の隊士にだ。