コノ想い届ケ
ただ一人取り残されている和田。
土方に並ぶと自分が霞んで見えることは分かっていた。
だが、まさか悠の隣で霞むことになろうとは思ってもいなかっただろう。
「お、お名前を……!」
「悠だよ。貴女は?」
女が女を口説いている。
その時、土方が立ち上がった。
悠のことをチラリと見てから部屋から出た。
悠は息を吐いた。
「う、うちは蘭どす。」
「お蘭さんか…。ごめんね、また今度。見送りはいらないよ。………今日はありがとう。」
耳元でそっと呟いて部屋から出た。
そのあと、蘭は顔を真っ赤にして倒れた。
「悠、何者だよ……。」
「あはは!楽しくてさ。女の人で遊ぶの。」
和田はその時感じた。
こいつ、副長以上に遊び人かもしれない。
悠は息を吐くと真剣な顔つきに変わった。
雰囲気もガラリと変わった。