コノ想い届ケ


ただ一人取り残されている和田。
土方に並ぶと自分が霞んで見えることは分かっていた。

だが、まさか悠の隣で霞むことになろうとは思ってもいなかっただろう。


「お、お名前を……!」


「悠だよ。貴女は?」


女が女を口説いている。
その時、土方が立ち上がった。
悠のことをチラリと見てから部屋から出た。

悠は息を吐いた。


「う、うちは蘭どす。」


「お蘭さんか…。ごめんね、また今度。見送りはいらないよ。………今日はありがとう。」


耳元でそっと呟いて部屋から出た。
そのあと、蘭は顔を真っ赤にして倒れた。









「悠、何者だよ……。」


「あはは!楽しくてさ。女の人で遊ぶの。」


和田はその時感じた。




こいつ、副長以上に遊び人かもしれない。





悠は息を吐くと真剣な顔つきに変わった。
雰囲気もガラリと変わった。
< 37 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop