コノ想い届ケ
和田は苦笑いを浮かべた。
土方は不意に立ち止まった。
目の前に流れる川を見つめていた。
川には月明かりが反射し輝いていた。
「あいつはあぁ見えて誰よりも人の命の重さを知ってる。仲間思いだしな。」
「土方さーん!隼人!置いていくよ!」
悠は笑っていた。
和田は笑った。
「副長、俺を悠の組に入れてくれてありがとうございます。あいつとならもっと強くなれます。」
「あぁ。……そうだ、平助の組の奴に勝ったんだってな。…なら、あとは覚悟だけだ。」
和田は悠のもとに走った。
土方は楽しそうに笑っている二人の様子を後ろからただ見守っていた。
とても、人を斬った後とは思えないほどの雰囲気だった。