コノ想い届ケ
第三章
島原の件から数週間かが経った。
和田を始め、他の隊士にも同じような体験をさせた。

意外や意外にも上田が成果を見せた。
他の四人は似たり寄ったりだが、上田だけは躊躇わなかった。





「大分、強くなったな、お前ら!」


原田が零番組の隊士たちを誉めていた。
元々、自分の組にいた者もいるようだ。


「本当だよねぇ…。悠の稽古の賜物だよ。」


「いやいや…。皆が頑張ったからだよ。」


文句や泣き言も言わずにやってきたからだ。
そして、零番組の隊士の頑張りは伝染し、周りの組の隊士にもいい影響を与えている。


土方は最初からこれが狙いだったのではないかと最近悠は感じていた。


「ま、これからも頑張ってねぇ~。」


「新八、左之、悠。副長が呼んでいる。」


組長に召集がかかった。
何かと思い、三人で顔を見合わせた。

三人は斎藤のあとをついていった。





「これで全員だな…」


いたのは零番から十番までの組長だった。
何処かピリピリとした雰囲気が漂っていた。

いつも噴かしている煙管は煙草盆の上だ。


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