コノ想い届ケ
「あ…!!最後、手抜いたな!」
「何のことですか?」
悠はしらばっくれた。
他の人たちには分からないだろう。
「凄いですね!これ、間違いなく入隊できますよ!」
沖田は嬉しそうに悠の手を握った。
ただ一人、納得出来ない人もいるようだ。
「おい、名は?」
本日何度目の問だろうか。
溜め息を吐きたくなるところを我慢して名乗った。
「悠です。お久し振りです、土方副長。」
静まった道場が一気に騒がしくなった。
幹部も訳が分かっていないようだった。
「久し振りだな。来るなら文の一つくらい寄越しやがれ。」
土方はフッと笑みを浮かべた。