コノ想い届ケ
「悠、何があった!」
その時、沖田が悠の手を掴んだ。
そして首を振った。
「ちょっと疲れたみたいです。だから、横になってただけですよ。」
悠は無理矢理誤魔化した。
沖田は安心したように笑った。
「じゃあ、何ともないんだな?」
「はい……。全部返り血ですよ、土方さん。」
土方は沖田に肩を貸して下りていった。
悠はもう一度吉田のいる部屋へと戻った。
「久し振りだね、悠。」
にっこり笑っている男が一人。
誰もいるはずのない部屋に一人いたのだ。
「し…しょ……」