コノ想い届ケ
第四章
キィィン___
戦いが終わった筈の池田屋から金属音が響いた。
誰もが耳を疑った。
「新八!終わったんじゃなかったのか!」
「終わった筈だったよ。」
誰にも分からなかった。
「副長、俺が見てきます。」
中に入っていったのは斎藤だった。
刀を抜き、息を潜め静かに音のする方へ近付いた。
「どうして姿を消したんですか!」
「どうして…ねぇ……。そうだ。私が全部殺したんだよ、門下生をね。」
信じられなかった。
師匠である筈の人が門下生を殺したなんて。
悠はギリッと歯を噛み締めた。
「なんで……!どうして!」
刀が弾かれ、悠は後ろに下がり距離を取った。
「悠、君は裏切り者だ。」
それだけ言い残して池田屋から立ち去った。