コノ想い届ケ
悠は立ち上がり、土方に背を向けた。
そして、着ていた着流しの帯をほどいた。
スルリと上だけはだけさせ、胸に巻いていた晒も外した。
「なっ…!?」
流石の土方も言葉を失った。
悠は振り向き様に笑った。
「これが…私のされたことです。」
悠の背中には無数の傷跡が残っていた。
その理由は語らなかった。
土方も聞けなかった。
悠は着直し、帯を締めた。
「長州は私の敵。私は……貴方を守る為だけに存在するのです。」
「何言って……」
悠はそれ以上のことを語らなかった。
土方は仕方なく悠の部屋から出ていった。