コノ想い届ケ



「沖田さん、いる?」


「はい。どうぞ。」


悠が部屋に入ると体を起こしていながらも布団にいる沖田がいた。


「大丈夫?」


「はい!ですが、祭には行けないんですよ…。土方さんが駄目だって。」


沖田は頬を膨らませた。
余程、楽しみにしていたようだ。


「何か買ってくるよ。何がいい?」


「え!いいんですか!?」


沖田は何にしようか悩んでいた。
そんな元気そうな様子を見て悠は笑った。



「リンゴ飴にお面でしょ…あとは……」


子どものようだった。
自分が何処かに置いてきてしまった子どもの頃のようだった。


「何か買ってくるね。楽しみに待ってて!」


「はい。お願いしますね!」


悠は笑って沖田の部屋から出た。


けれど、沖田は何処か浮かない顔をしていた。



「沖田はん、調子はどうや?」


入れ替わるように入ってきたのは山崎だった。
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