コノ想い届ケ
「大丈夫ですよ。…!悠さんって何処か怪我しました?」
「いや、なんもしてへんで。籠手しか防具付けとらん筈やったんやけど…」
沖田は鋭かった。
怪我でないならば他に何か原因があると。
そして、それはあの拷問の時のことた何か関係があるのではないかと。
「笑い方が変わったんです。だから、何かあったのではないかと思ったんですよ。」
「相変わらず鋭い感覚をお持ちのようで。羨ましいわぁ…」
山崎は笑う。
そして、沖田に薬を渡した。
沖田は仕方なく口にし、白湯で流し込んだ。
「池田屋で何があったんでしょう…」
沖田自身、血を吐いてからの記憶が曖昧なのだ。
どうやって此処まで戻ってきたのか、何故、今が楽なのかと。
薬のお陰ではないような気がしていた。
「土方さんなら何か知っていますかね…」
「そうやな。馴染みのようやったしなぁ…」
沖田は此処に土方が訪ねてきた時にでも聞こうと思った。