コノ想い届ケ
「何がいいと思う?色々、沖田さんは悩んでいたみたいだけど…」
「総司なら何でもいいんじゃない?」
確かにそうかもしれないと悠は思った。
何故なら悩んでいた時に出てきたのは食べ物の名前ばかりだったからだ。
でも、その中でも出てきたのはお面だった。
子どものように思えた。
「やっぱり、これにする。」
悠が手に取ったのは狐の面だった。
三人は不思議そうな顔をしていた。
それでも悠は何処か満足そうに笑った。
「じゃあ、行こう!あ、平助!あそこにりんご飴がある!」
悠は藤堂の手を引いて出店へと走って行った。
その様子を後ろから原田と永倉が見ていた。
「どう見ても間者になんて見えないよねぇ…」
永倉がポツリと呟いた。
「は!?あいつが間者!?」
「しーっ!……でも違うよ、きっと。」
あんなに笑って仲良くやってる二人を見ていたらそんな風には見えなかった。
いや、見たくなかったのかもしれない。