コノ想い届ケ
「ただいまー!」
悠は笑って沖田の部屋を勢いよく開けた。
沖田は「お帰りなさい。」と言って笑って迎え入れた。
「お土産!」
悠は自分の頭の後ろにつけていた狐の面を外して沖田に渡した。
「わぁー!ありがとうございます!」
沖田は自分の顔に面をつけ、笑っていた。
ただ子どものように無邪気に。
「子どもみたいだね。」
「私はもう二十になりました!」
「ははっ!私にしてみたらまだまだ子どもだよ。」
「え!?」
「え?」
悠は首を傾げた。
沖田は口をパクパクとしていた。
自分よりも若いと思っていたようだ。
「何歳に見えたー?」
「まだ十八くらいかと…」
「あはは!それは嬉しいねぇ…。実は、なんと今年で二百六十歳になるんだよ、此処だけの話。」
一瞬静まり返った。
そして、そのあとすぐに沖田は笑った。
「はは!悠さ…っはは!」
沖田の笑いが止まることはなかった。