コノ想い届ケ
「うげ……。覚えてたのか…」
「そりゃあ、もう!お蘭さんに会えるー!」
悠はウキウキしていた。
藤堂の怪我も大分良くなり、稽古にも顔を出すようになっていた。
「じゃあ、夕方な!」
藤堂はご飯を食べ出ていった。
次々とご飯を食べ終え出ていく。
悠は食べるのがかなり遅い。
「何此方見てるんですかー…」
視線を感じ、味噌汁を口にしながら視線だけをやっていた。
「別に何もねぇよ。」
「あ、私が島原に行くの嫌がってます?」
「そうだ。」
悠は味噌汁を少し吹き出した。
土方は何一つ気にせずご飯を食べている。
「ゲホッ、ゲホッ…!私は女ですよ!?誰が女を好きになるんですか。」
悠は箸を置き、顔色一つ変えない土方を見てふぅと一息吐いた。