コノ想い届ケ
「悠はん、来てくれはったんやね…」
「お蘭さん、元気そうで良かったよ。そっちの人は?」
「うちは溯申します。蘭の言うてはった通りのお人やわぁ…」
悠が来ただけで店の女たちは大騒ぎだ。
藤堂は何のことだかさっぱりという様子だ。
「あのー…」
「あ、平助。みんな可愛いよね!綺麗だし…」
部屋に案内されてから悠の周りには女の人が囲むようにいる。
藤堂は一人、取り残されていた。
こんなに悠が人気があるなんて思ってもいなかったのだろう。
「平助はん、お酌しますえ?」
「あ、ありがとう。ねぇ、悠っていつもあんな感じなの?」
「へぇ。うちの女の子たち皆に人気なんよ。土方はんに負けてないかもしれへん。」
女の悠が女の人に囲まれている。
自分は男なのにと…
何とも言えない藤堂であった。
「悠はん、こんな話知っとります?」
女は話し始めた。