咲き誇る花

「沖田総司って奴は、新選組っていう、京の街を守る組織に入っていたんだ」

永倉はなるべく分かりやすい言葉を選んで話す。

「刀を扱うのがすごくうまくてな。一番隊組長をしていたんだ」

ふぅん、と頷く緑に、

「俺は二番隊組長だったんだぜ」

と言うと、

「二番隊いうことは、沖田総司さんの方が強かったんやろ?」

と返されてしまった。

「まぁ、そうなるな」

永倉はそう返す他なかった。

「けど、本当にあいつはすごい奴だった。最後は、労咳っていう病気で死んじまったんだけどな」
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