咲き誇る花
気が付くともう薄暗くなっていた。
「そうですね。では、失礼します。もう一晩泊まっていくのですよね?」
「あぁ。すませぇが、そうさせてもらうな」
「緑も喜びます」
青葉は微笑むと緑の元へ向かった。
「緑、お話は終わったえ。夕餉を今から作りますよって」
部屋で字を読めないのに本を眺めている緑に声をかけた。
「はい。お母様」
緑は顔をあげると笑い、
「ほんなら、永倉様とお話しててもええどすか?」
と言った。
「永倉様に迷惑かけんようにするんどすよ」
青葉はそう言うと台所へ向かった。