咲き誇る花
そして私は家への道を歩き始めた。
「きゃっ!?」
その時私は誰かとぶつかり転んでしまった。
「ご、ごめんなさい」
慌てて立ち上がり相手に謝る。
「おれ俺も悪かった。少しぼーっとしててな。あんた、怪我はないか?」
「……」
「おい、大丈夫か?」
「へ?あ、はい。大丈夫です。本当にすみませんでした」
私は慌てて答えた。
相手の顔をよく見たとき、私の心臓は大きく跳ねた。
真っ黒な神に前髪から覗く凛とした黒い目。
形のいい顔にすっと流れるような鼻。
とても美しい、青年だった。
「そうか。なら、これで」