咲き誇る花
「お母様~」
するとその時一人の子供が部屋に入ってきた。
「お母、様?」
永倉は呆然とする。
「まさか、総司との?」
青葉は悪戯っぽく笑った。
「緑という名前なんです。可愛いでしょう?」
「じゃあ、本当に……」
青葉はそこで悲しそうな顔をした。
「残念ながら総司様との子ではありません。この子は捨て子だったのです」
青葉は緑を膝に乗せると頬をぷにぷにと触った。
「けど、何だか総司様に似ている気がして」
ほら、と、青葉は緑を永倉に向けた。