散る頃に咲く花~番外編~
「青葉ちゃん、今日は遅かったね。」
僕は青葉ちゃんの顔も見ずにそう言った。
今日は青葉ちゃんは平助と一緒に帰ってきた。
しかも今日巡察当番だった僕は見てしまった。
青葉ちゃんが平助の顔に近づき、平助と口付けを交わすところを。
思い出すだけで胸がぎゅっと痛む。
自分の気持ちに気付いてから間もない今日、ああいうのを見てしまうと。
けど、青葉ちゃんがそれでいいのならぼくもそれでいい。
けど、どうしても、青葉ちゃんの顔を見れないんだ。