散る頃に咲く花~番外編~
僕はその一瞬で出来事の全てを理解した。
これは僕の憶測に過ぎないけれど、青葉ちゃんに照れた平助が顔を背けた。
それを気にした青葉ちゃんが顔を覗き込んだ。
きっと、そうなんだ。
僕は目の前にある青葉ちゃんの唇に自分の唇を押し付けてしまいたい衝動に駆られた。
けど、そんな事したら青葉ちゃんはもっと怒るだろうからやめておこう。
「冗談だよ。ごめんね?」
僕は謝った。
「やっぱり冗談だったんですね。お土産あげませんよ?」
「団子の?」
「どうして分かったんですか?」
青葉ちゃんは少し驚いた表情をした。
「僕は鼻がいいんだ。」