17歳の遺書
美帆side




『美帆、幸せになって。俺よりもずっといい男と結婚して、絶対幸せになって。俺は、もう守れないけど、
でも、きっと美帆を大事にしてくれる人がいるから。
前を見て、歩いていってね。』



なんでそんなこと言うの?
もう帰ってこないみたいな言い方。
そんな言い方しないで。


いつか言ったよね。
美帆はうさぎみたいだって。
守ってやらなきゃ。って。
ねぇ。うさぎってさみしいと死んじゃうんだよ。

私、寂しすぎて死んじゃう、だから一人にしないで。
なんで?待ってよ、置いていかないで....



こんなような悲しい夢をみた。
夢の中のゆうは、静かに微笑んで、私を置いて、
1人、暗い暗い道へと進んでいった。
追いかけても追いかけても、
追いつくことは出来なかった。
何度呼んでも、ゆうが振り返ることはなかった。


私が涙を流しても、もう拭ってはくれなかった。

私が話す話も、聞いてくれなかった。


もうそこにはゆうの暖かさがなかった。



お願い。そばにいて....私を包んで。


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