17歳の遺書
.....ガラガラ
しばらくして美帆が帰ってくる。
『いいってー!ほら、だから早く寝よー』
俺の返事を待つ前に布団に強引に潜り込む美帆。
『もう、明日早いんだから、ほら、電気も切って、寝るよ。』
美帆はそういって電気を切り、目を閉じる。
あれだけはしゃいでいたのに、もう
すーすーと寝息を立てて寝ている。
今日、俺に勉強教えてくれたもんな。
ごめんね。美帆、疲れたよな。
綺麗な寝顔を見つめる。
いつ見ても同じ綺麗な顔。
サラサラとした綺麗な髪の毛。
パッチリとした目を華やかに縁取っているまつ毛は長く伏せている。
すっと通った鼻筋。
いつも変わることなく俺を迎えてくれた笑顔を思い出す。
なんども救われた言葉に、思いをはせる
3年分の思い出が一気に蘇る。
俺の頭を駆け回る。
全部が全部いいことじゃなかったし、
喧嘩だってした。思いが伝わらないときだってあった。
だけど、それとかも含めて全部が全部輝いてる。
美帆が隣にいるだけで、俺の思い出は全部キラキラ輝く。太陽みたいに。
『世界で一番美帆を愛してる。』
いつか、言った言葉をもう一度つぶやく。これが俺が今、一番伝えたいことだから。
俺はそっと目を閉じた。思い出を噛みしめるように。