17歳の遺書



『おはよう。』
毎朝囁かれる言葉。

『どこでもいく。俺を呼んで。』
いつだってヒーローなってくれた。

『誰よりも好きだよ。』
抱き寄せられて、耳元でつぶやかれる甘いセリフ。

『俺さ、生きててよかった。』
まっすぐに私だけを見て言う。

『美帆の声めっちゃすき。』
私が笑うたびに笑ってくれる。

『もう離さないよ。』
ケンカ後の仲直り。

『誰にも邪魔させないから』
ぶつけられた想い。

『美帆だけしかみてない。』
キスをした後の暖かさ。

『俺だけを見て。』
私の心に刻み込まれた印。


『世界で一番美帆を愛してる。』
幸せすぎてあふれた涙。こぼれる笑顔。

そして....
『必ず帰ってくるから待ってて。』
ゆうが誓った約束。何よりも大切な約束。


忘れたくない。ずっと、忘れられないようにして。
この一つ一つが習慣になってほしい。



『ゆう......』


『なに?』

優しく響く声。
ゆうは私を自分の方に引き寄せる。

ピタッとくっつくおでこ。
ほおに触れる暖かい手。


『俺、生きるために行くんだから。
大丈夫。帰ってくるよ。』

『うん.....分かってる。』
溢れそうな涙をこらえる。
泣いたらダメだってわかってるのに、心が思うように動かない。

『泣くなって。』
ゆうは、ははっと笑い私にキスを落とす、涙を拭うように。


好き、本当に好き。私、ゆうなしじゃ生きていけない。


だから、
『待ってる。必ず帰ってきて。』


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