17歳の遺書
優太side
さっきから静かに涙を流す美帆。
『泣くなって。』
笑っていないと自分も涙がこぼれそうだった。
分かってる。美帆の声が頭に響く。
俺の大好きな声。離したくない。
美帆の流れる涙を拭うようにキスを落とす。
『さっき、何って?』
『あー.....『じゃあ、準備できたみたいだから。』
俺に重なる声。そろそろ行かないといけない。
『俺のベットの引き出しに、美帆への手紙が入ってる。手術の間、もし、学校いかないんだったら、読んで。
じゃあ、行ってくる。』
頭を離す。
涙を拭ってこっちを向く美帆
『いってらっしゃい。』
美帆はとびきりの笑顔を作って笑っていた。
無理すんなよ。ってまた抱きしめたかった。俺の前では無理して笑わなくていいから。ってほっぺをつねってやりたかった。
だけど、行ってこなくちゃ。
『まっててね。』
そういって、お願いします。と看護師さんに声をかける。
離れていく美帆をずっと見ていたかった。
美帆、必ず帰ってくるから。
俺は、美帆を置いていかない。
だから、今だけ、今だけ、離れることを許してね。