17歳の遺書
ここからは、俺の夢を書くね。
出来るなら、出来ることならば、俺がずっとそばにいたい。
ちゃんとプロポーズもして、
結婚式もしたいな。
美帆はどっちがいい?
ウェディングドレスか、白無垢か。
俺はどっちの美帆も見てみたい。
絶対綺麗だから。
どっちもやろうか?それもいいと思わない?
そんでさ、新婚旅行もどっかいこう。
南国がいーかな?
暖かいところがいーね。
指輪も俺が給料で買ってやる。3ヶ月分?だっけ。
だから今は、まだ我慢してて。
多分、子供も出来てさ、そしたらスッゲー嬉しいんだけど、美帆の一番がおれじゃなくなるの、ちょっとさみしいな。
でも、俺にめちゃ似てる男の子か、美帆にめちゃ似てる女の子か、それならいいかな。
男の子も女の子もどっちも欲しいな。
出来れば1人ずつさ、寂しくないように。
手術したら走れるようになるのかもしれないし、そしたら子供と思いっきりはしろーね。
家族全員で公園で鬼ごっこしたり、写真撮ったり。
思いっきりぎゅってしたり、
ヒゲでじょりじょりしたり、そしたらさ、やめてあげなさいって美帆が怒るの。
美帆は怖そうなお母さんになりそうだな。
俺、めっちゃ甘やかしちゃいそ。
でもこんな感じのお母さんとお父さんになりたい。
パパ、ママでもいいな。
それでさ、娘がお嫁に行くとき、泣くんだ。
行くなって、引き止めて、美帆は横で、そんなこと言わないのって、俺をなだめる。
みたいな、そういうおばさん、おじさんになりたい。
そうしてさ、、おじいさん、おばあさんになったら、旅行してさ、一緒になれてよかったねって。
一緒に笑って、二人で手を取り合ったり、孫におもちゃ買ってあげたり、甘やかしすぎて娘とか、息子に怒られたりさ。
....それから一緒に目を閉じる。
いつか二人で語り合った、夢。
2人で大きな星になろう。
寄り添って。ずっとそばにいる。
これが俺の長くて、短い一番の願いです。
だから、もし、もしだよ。
美帆の隣が俺じゃなくても、出来たら俺の夢を叶えて欲しい。
違う誰かと必ず。
でも、絶対俺と幸せになろう。
これだけは、譲れない。
...だから、待っててね。