17歳の遺書
美帆とは中学の時に出会った。
全然学校に行っていなくて、あまり勉強の分からない俺に、学級委員という理由だけだったのに、一生懸命勉強を教えてくれた。
それからというもの何度も何度も教えてくれて、

そのときは、この子すごく可愛い、なんで俺なんかに勉強を教えてくれるんだろ、俺と関わっても得なんかしないのに、
と思っていた。

でもその気持ちははだんだん変わって来た。
気がつけば、そのすこしの時間も愛おしくて、大事にしたい時間だと思うようになって来た。

今まで、恋なんてしたことがなかったし
もちろん、女の子と付き合ったことのない俺はどうしていいのか分からず
悠希に相談してみると、、

それさ、恋だよ。優太さ告白しなよ。
と言って俺をじーぃーと見つめて来た。

恋か。
俺なんかが告白してもいいのかな。
分からなかった、だって俺はずっとそばにいることも出来ないし、
学校で辛いことがあっても助けてあげられない。手を握って登校することも出来ないし、一緒に走ったりすることも出来ない。出来ることより出来ないことの方が多いのに、告白なんてしても意味がないんじゃないかと。
中学生の頭でよく考えた。そして、
気持ちだけは伝えようと決めた。




中学2年生の秋だった。
やっと外泊の許可がでた俺は学校に行く。悠希には、言った。
俺、気持ちだけは伝えようと思う。

悠希は、『おぅ!、優太なら大丈夫だ、
自信もって頑張ってこい、』
と言ってくれた。頑張れる気がした。
悠希にはいつも元気をもらってばかりだ。ごめんね、悠希。ありがとう。

そして伝えた。9月10日。よく晴れた秋空の下で。
< 5 / 181 >

この作品をシェア

pagetop